7月26日

WHAT, ME WORRY? 高橋幸宏、初のソロコンサートはゲストも豪華よ♡

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高橋幸宏のライブ「YUKIHIRO TAKHASHI TOUR '82 WHAT ME WORRY」が厚生年金会館で開催された日
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高橋幸宏 初のソロコンサート、新宿厚生年金会館で目撃!


私は今、ステイホームしていた頃に発掘されたカセットテープを聴いています。それが世に『BGM』『テクノデリック』という話題作を問うた1981年の翌年、1982年に活動休止をしたYMOのメンバー高橋幸宏さんが初のソロコンサート『YUKIHIRO TAKHASHI TOUR '82 WHAT ME WORRY』のFM放送をエアチェックしたものであります。

何を隠そう、このコンサート… 熱狂ライブに、なんとワタクシ足を運んでいたのであります。そこで今回は、カセットテープに収められたレガシィから薄れゆく記憶をたどりつつお送りできれば… と思った次第であります。しばしお付き合いくださいませ。

その日、それが行われた会場は、今は無き新宿厚生年金会館大ホールでありますが、そこには実は当時大きなトラウマがございます。ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、そこはいわゆる新宿駅からは遥か遠く、1980年にそこで行われた某カセットテープメーカーによるYMOのライブへの招待企画を行っており、それに当選した当時中学生のワタクシ、とぼとぼと歩いている間に無情にもライブは開幕。無料招待客が故にあえなく入場を断られる… という悲劇に見舞われた舞台でもあったのでございます。

密閉された扉から漏れ聴こえる鮎川誠さんのギターソロだけが、そのライブの哀しい記憶としてとどめられているだけでして、その厚生年金会館へのリベンジを今回は果たすべく、中学の同級生S君と向かった1982年のその日だったのでございます。

豪華なバンド! 細野晴臣、土屋昌巳、立花ハジメ、スティーヴ・ジャンセン


さて、今回は堂々とその分厚い防音扉を開けて席に着きまして、開演を待つ間にも胸は高鳴ってくるわけでございますが、しばし待つ間に会場は暗転。6月に発売されたソロアルバム『What, Me Worry?』のオープニングテーマである同名曲が始まると同時に高橋幸宏と以下の通りの豪華なツアーメンバーが続々とステージに登場いたします。

・細野晴臣(Bass、Keybords、Vocal)
・土屋昌巳(Guitar、Vocal)
・立花ハジメ(Sax、Guitar、Vocal)
・スティーヴ・ジャンセン(Drums)

この綺羅星の如きミュージシャン、エンターティナーが並びます。そして演奏されていく曲は、「It's Gonna Work Out」を皮切りに「What, Me Worry?」をフィーチャーした選曲をはじめ、これまで発売されたソロアルバム『音楽殺人』『Newromantic』をまんべんなく散りばめた構成という、ユキヒロファン大喜びの選曲だったのであります。…が、ここでワタクシ大きな失態を犯した事に気づきます。実はこの段階ではまだ『What, Me Worry?』は未聴であったため「あれ? なにこの曲… JAM?」みたいな状況が続いてしまいました。今はとても反省しています。

そして途中には、ツアーメンバーの曲をフィーチャーしたコーナーがあり、そこでも様々な趣向がこらされました。立花ハジメの「H」の時には、それまでボーカリストに徹していた高橋幸宏もスティーブ・ジャンセンとのツインドラムを披露し、立花ハジメ本人はシモンズのパッドをひっぱたき、ステージを縦横無尽に駆け巡り、そしてこの曲では自慢のサックスを披露するという八面六臂に大活躍でございました。

細野晴臣はソロアルバム『フィルハーモニー』からの「スポーツマン」でボーカルを披露し「Flashback(回想)」では華麗なベーステクニックを披露しつつもキーボードとして演奏を支える核となっておりました。

ゲストも豪華! 鈴木慶一、坂本龍一、加藤和彦、デヴィッド・シルビアン…


そして特筆すべきは豪華なゲスト陣でありまして、まずは1981年に結成されたザ・ビートニクスの相棒、鈴木慶一と『EXITENTIALISM 出口主義』からの「Now and then」を演奏し、坂本龍一は後半よりキーボード、ギター等大活躍いたします。サディスティック・ミカ・バンドの盟友、加藤和彦もギターで参画し、最後に、Japanのデヴィッド・シルビアンも駆けつけます。

楽しい時間はあっという間に過ぎて参ります。最後の曲はYMOでお馴染みの「CUE」であります。なんと坂本龍一はスティーヴ・ジャンセンとのツインドラムであります。鈴木慶一、加藤和彦、デヴィッド・シルビアンはギターです。何人ギターおったら気が済むねん!という感じではありましたが、クールで寡黙なYMOのステージとは打って変わって、時にMCも織り交ぜながらカッコよくてアットホームなライブは幕を閉じたのでありました。

その後高橋幸宏は1986年まで毎年ソロツアーを行うようになるわけですが、ワタクシは1983年を除いて(だって、箱根遠いんだもん…)足を踏み入れるという事になるわけでございます。あぁ、今思えばそこは深い沼だったのでありました。ユキヒロさん、ありがとうございました。

2020.07.23
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カタリベ
1966年生まれ
KZM-X
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