数年前にテレビを眺めていたら、いきものがかりが水谷豊さんと一緒に思い出の街、横浜を巡るという番組をやっていた。街の思い出を語りながら、水谷さんがいきものがかりと歌うシーン。“でっかい夕陽を背中にしょって、影踏み遊びの子供が走る~” 水谷さんが熱血教師を演じ人気を博したドラマ「熱中時代」の主題歌が流れた瞬間、私の心は小学校の教室に一気に引き戻された。
私の通う小学校には一風変わった教師がいた。この先生、子供とみれば生徒でなくても平気で手を振り、笑顔を向けて話しかける。道端で出会った子供に笑顔が送れないような者は教師になってはいけないと本気で思っている。全校朝礼が終わると教師は大きな声で「オハヨー!」と叫んで教室のドアをバーンと開けた。
だが、そこは彼が担任するクラスではない。呆気にとられる子供たち。確実に教室を間違えている。教師は教室中を見渡し、子供たちの顔を楽しそうに眺めながら何事もなかったように机の間を通り抜けていく。そして「またね!」と言うと出席簿を振りながら教室を出て行った。教室は爆笑で包まれる。休み時間は休憩もせず、学年クラス関係なく子供たちと本気でフルタイム遊ぶ。
『スクール・オブ・ロック』(2003年)のジャック・ブラックを地でいくワイルドな風貌の先生。彼が教室に戻ると教卓にはピカピカの灰皿が置かれていた。教室で煙草を吸う姿を見たことは無かったが、子供たちは教師が煙草が大好きなことを知っているのである。子供たちもまた教師をとても愛していたのだと思う。朝、灰皿を洗い教卓に置くのが自然と子供たちの日課となり、それが皆にとっても嬉しく誇らしく思えることだった。
やさしさ紙芝居
作詞:松本隆
作曲:平尾昌晃
編曲:石川鷹彦
発売:1980年(昭和55年)7月21日
2016.04.12
Dailymotion / lin 無 悔
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