6月21日

堀ちえみ「真夏の少女」のブレない姿勢。群雄割拠の “82年組” 2枚目の挑戦!

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photo:PONY CANYON  

80's Idols Remind Me Of… vol.12
真夏の少女 / 堀ちえみ

松田聖子(1980年デビュー)に追いつけ追い越せとばかりに、80年代女性アイドルシーンの中でも最も活況を呈したのが1982年デビュー組。後に生き残る、生き残らないは悲喜こもごもながらも、82年にデビューした女性アイドルシンガーの数は、80年代全体を見ても群を抜いて多い。まさしく群雄割拠の様相を呈してくるわけだ。

82年デビュー組の中でも、現在に至る知名度を加味しながら当時の実績・認知度を鑑みれば、1軍スターと呼べるアイドルシンガーたちが存在したのは確か。すなわち中森明菜、小泉今日子、早見優、石川秀美、堀ちえみあたりが挙げられるだろうか。

さて、この5人がそれぞれ鳴り物入りでデビューしたのが、ほぼ同時期の82年3~4月のこと(中森のみ5月1日)。そして新人アーティストにとっては極めて重要な意味合いとなるセカンドシングルがリリースされたのが、これもほぼ同時期の同年6~7月のことだった。それぞれの個性を確立していくために他と一線を画す試行錯誤・思い切った挑戦がなされたのが、これらソフォモア(2枚目)作というわけで…。

ファーストとはガラリと変えた “いけないハスッパ路線” な「少女A」の中森、男目線の失恋ソング「ゆ・れ・て湘南」の石川、カバー路線踏襲ながら弾けるポップな林寛子作品「素敵なラブリーボーイ」の小泉、いきなりマイナー調哀愁な「Love Light」な早見… それぞれが試行錯誤が垣間見られながらも、見事なチャレンジング姿勢で勝負に出ていた。

そんな中、われらが堀ちえみのセカンドシングルは「真夏の少女」(82年6月21日発売)! デビューシングル「潮風の少女」とほぼ同じ感触な曲調・歌詞感を擁する、“デートも未体験(と思われる)、安心感たっぷりなロリータ王道路線” を貫いていたのだ。デビュー曲から何も変わらない、(良い意味で)何も挑戦しない、潔ささえも感じさせる送り手側のブレない姿勢に、拍手喝采を送ったのは言うまでもない。

堀ちえみという素材を送り込むにあたって、そうせざるを得なかったのかもしれないが、結果として80年代アイドルソングのひな形のひとつを形成していたのだから、“天晴れ” を差し上げるしかないでしょう。同年デビューのシンガーで言えば、新井薫子、川田あつ子、水野きみこあたりがダブってくるのだろうが、1軍在籍の堀ちえみがこの “様式美” を第一線で一手に担っていたわけだ。

「真夏の少女」に悶絶死した男子は確実に数万人存在していたと思われるが、いよいよ堀ちえみのファンを広言するのが憚れる雰囲気が強くなってきたのもこの時期から。そんな雰囲気が薄まってきたのは、(ビジュアル的マイナーチェンジがあった)「クレイジーラブ」(84年)の頃だろうか。もちろん筆者は、いつでも堀ちえみファンを広言していたのだが。

2019.05.29
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  YouTube / skyskytree1
 

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カタリベ
1962年生まれ
KARL南澤
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