7月1日

第2期チューリップ「2222年ピクニック」普遍的な愛とスぺーシーサウンド

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photo:zaitsukazuo.com  

初めてのチューリップは「虹とスニーカーの頃」


今回の原稿を書くに際して2つのことを思い知った。

まず、とてつもなく好きだったり、大きな影響を受けたアーティストを原稿のテーマに選んではいけないということ。好きな女の子へ書くラブレターがそうだったように(苦笑)、1000字程度の内容にまとめることなんてできっこない。

どの曲にするか? いつの時期にするか? 何のエピソードにするのか? と、迷いは尽きることなく一向に筆が進まない。まぁ、これは多分に文章力の問題なんだろうけれど。

あともう一つの思い知ったことは、僕にとってチューリップというバンドがそれほどの大きな存在だったということだ。

僕が初めて彼らを知ったのは「虹とスニーカーの頃」だ。とはいえ、当時小学生だった僕自身はスニーカーというよりもズック靴の頃。歌詞の中の「男の罪」と「女の罪」の違いなんてよく分からないし、せいぜいメロディが好きでよく口ずさんでいた程度だった。ところが、1982年の7月7日以降、僕はチューリップの魔力にずぶずぶとはまっていくことになる。

“好き” のきっかけはラジオ「坂崎幸之助のオールナイトニッポン」


きっかけは、その日彼らがゲスト出演した『坂崎幸之助のオールナイトニッポン』を聴いたこと。それまでのチューリップのイメージといえばオフコースなどと同じで、歌番組『ザ・ベストテン』の “出演しない組” のちょっと勿体ぶった人たちという感じだった。しかし、この日のラジオを通して聞こえてくる彼らのトークでそのイメージは完全に覆された。天才特有の嫌味を微塵も感じさせない財津和夫、超天然の姫野達也、温かみ溢れる安部俊幸など、メンバーそれぞれが持つ魅力に僕は吸い込まれてしまったのだ。

この日の番組はたまたま録音していたのだが、そのカセットテープをどれだけ聴いたことか。メンバーの口調をすっかり真似できるようになったほどだ。もちろん真似したところで、誰にもわかってもらえなかったけれど。

第2期チューリップ、スペーシーでソリッドな「2222年ピクニック」


彼らがこの番組に出演したのは、翌月に1000回目のライブを記念してよみうりランドを貸切で開催する『LIVE ACT TULIP THE 1000TH!』と、発売したばかりのアルバム『2222年ピクニック』の告知が目的だった。

この頃のチューリップは「第2期」と呼ばれていて、初期のフォークの雰囲気は薄れて電子的な音が前面に出たバンドサウンドに変化していった時期。また、財津和夫の志向性の変化を反映して宇宙や未来、普遍的な愛などをテーマにした曲が増えている。フォーク時代から支えてきたファンには戸惑いもあっただろうけれど、僕としてはむしろこの時期のスペーシーでソリッドなサウンドの方がより強く好みにマッチした。

「2222年ピクニック」に気持ちを捕らえられた僕は、すぐに近所のレコード店へ行って人生で2枚目のアルバム(テープだけど)を購入した。2222年に空がまだ青いならば、誰かこの曲を流しながらピクニックに行くカップルがいるだろうか。そんなことを空想しながら、僕はこのアルバムを数え切れないほど聴いたのだった。

しかし、チューリップのことがどんどん好きになっていく一方で、そのことを人に言えない悩みも抱えることになる…。

ああ、やっぱり一回では完結できない。この続きはまたの機会に改めることとしよう。


※2018年7月25日に掲載された記事をアップデート

2020.02.19
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  YouTube / muratti1998
 

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カタリベ
1967年生まれ
阿野仁マスヲ
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